2020年4月17日(金)静岡市議会 令和2年4月臨時会「総務委員会」
【質問】
◯島委員 それでは、質問させていただきます。
資料-1、令和2年度4月補正予算案の概要の3ページの予備費について、質問させていただきます。
事業内容に、マスク、消毒液等の衛生用品購入や国の給付金の支給準備等、不測の事態に備えた予備費の増額とあります。今回の補正予算に上げられている各局の事業は、あくまで緊急的な内容に限られていると思いますが、本会議でも質問がありましたが、今後、どのような事業に予備費を使われるのか、もう一度詳しく教えてください。
◯安竹財政課長 先ほどの本会議でも、財政局長から答弁がありましたけれども、改めて詳しくということで、お答えいたします。
当初予算で、予備費として2億円持たせていただいておりまして、今回の補正額2億円を足して4億円を用意させていただくことになります。
今、我々がその予備費の活用として想定しているのが、業務上各公共施設の職員が必要とする、今、なかなか手に入らないマスク、それから消毒液で、こういったものが市場の状況から手に入りやすくなった環境ができたときに、例えば、一括して行政で買うなど、すぐに用意できる、すぐに購入するための経費がまず1つ。
それから、国の、仮称ですけど、生活支援臨時給付金ということで、今朝までの報道の中で、収入が落ちた世帯に対して30万円を給付するという話が、一転して、一律10万円を支給するという話に変わってきていますけれども、その支給事務も、安倍首相は、もともと5月中に支給すると、すぐに支給しないと意味がないということを言っておりました。その支給に係る事務として、対象要件もまだ明確ではない時期に、やはり行政として、支給するための準備をしておかなければならないということで、その支給に係る準備経費。
それから、松谷議員の質問にもありましたPCR検査機器ということで、市の環境保健研究所で、今2台体制、2台のうち1台を新型コロナ用ということで検査しております。今後、静岡市内でも感染が疑われる方が増えてきたときに、1台ではなかなか対応しにくくなることが想定されますので、急増に備えてPCR検査機器を購入するための経費も予備費の中で想定しています。
1つ、付け加えさせていただきますと、PCR検査機器については、どの自治体も、今後、検査機器が必要だということで、その発注がなかなかできない状況を聞いております。ただ、今確認したところ、今週中に発注の手続を取って、契約課で手続を取ると、1か月後に納品ができそうだという情報が入りました。当初予算で2億円の予備費を持っていますけれども、今回議決していただく予定の2億円を使う前、議決の前に、当初予算の2億円を使ってPCR検査機器を購入しようということで、今、手続を取っております。4月中には契約ができて、5月中の納品が可能と確認しております。
◯島委員 新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止のために、今回の補正予算が組まれたと認識しておりますが、昨日、緊急事態宣言の対象が全国へと拡大されて、状況は刻一刻と変化しております。今回の補正予算には上がっておりませんが、今後、さらなるコロナ対策を進めていく必要があると感じております。
例えば、広報課による市民への情報発信の拡充や改善、民間メディアと連携した情報発信、危機管理総室による危機管理への対応強化、学校現場における臨時登校日の実施に係るマスクや消毒液、体温計などの備品の拡充、休校による学習の遅れを補うテキスト配布、オンライン授業の検討・準備など、今後、さらなる対応が必要になってくると考えております。
そういった緊急を要する対策についても、予備費を使って可及的速やかに予算措置をしていくという理解でよろしいでしょうか。
◯安竹財政課長 今回の4月補正予算については、編成していく中で、国の緊急経済対策の内容もようやく見えてきて、市として独自の緊急経済対策をまず打とうということで、皆さんの御理解を得て議会を開催していただき、今日に至っています。
今後、5月臨時会が5月20日に予定されています。それから、その後の6月定例会以降も、今回の4月臨時会での予算案は、コロナ対策の第1弾と我々も銘打っていますので、先ほどの本会議でもありました第2弾、第3弾というのも予定しています。今、島委員がおっしゃった、例えば、市民への情報発信とか、教育委員会での取組というものも、各所管課と今後も協議していきながら、国の緊急経済対策にのっとった部分は、うまく活用しつつ、それ以外でも、市の単独事業がもしあるということであれば、積極的にこの予備費を活用していきたいと考えています。
先ほどの準備の関係で、予備費をもし使い切ってしまった場合にはその後の緊急対応ができなくなる可能性もあるので、5月以降の増額も、また検討していかなければならないと考えております。
◯島委員 既に、5月臨時会の日程は案内されておりますけれども、それまでの間に飲食をはじめとした中小企業の経済状況が悪化している、倒産する店舗や企業もあるという市内の事業者からの声も届いています。そんな中で、今後、一分一秒を争うような臨時の経済対策についても、こういった予備費を使っていく必要があるんじゃないかと思っています。
静岡県や他の自治体のように、2月の定例会でコロナ対策や緊急で対応するための予備費の準備がされているところもあったかと思います。今後、新型コロナウイルスの感染拡大がどのような状況になっていくか分からない中で、先ほど質問させていただいた内容も含めて、想定外の事態が起こった際に、この予備費が使われるのか、もしくは、この予備費がこの金額で足りるのかという不安があると思います。
今後、5月臨時会も含めて、予備費の増額もより多く積んでいくことも必要だと思っておりますけれども、その辺について、財政局のお考えをお聞かせください。
◯川崎財政局長 今まで経験したことのない今回のものにつきましては、あらゆる手段を講じていく必要があると思っています。
1つは、想定外のことが起こったものについては、予備費という費用があります。今、令和2年度の当初予算を使い始めたところでもございますので、各局の既定の予算の中で、事業の優先順位の中で、既定の予算のまだ使っていない部分を活用しながら、早急にやるべき事業があれば、そちらに振り替えるという予算の流用もございます。いろんな手を使って、やるべき仕事に対する財源を確保しながらやっていきます。
あと、補正予算という形で、新たに議会に諮りながら予算を確保するというのも1つの手だと思っておりますので、そういった手段を組み合わせながら、これから必要な事業はやっていきたいと思っております。
【意見・要望、討論】
◯島委員 自民党です。
議案第122号令和2年度静岡市一般会計補正予算(第1号)中所管分について賛成いたします。
続いて、意見・要望です。
予備費についてでありますが、今回の補正予算議案の所管外の事業を見ても、今が未曽有の大災害の真っただ中であるという危機感、当局のコロナ対策に対する意識が薄いように感じています。国や県と歩調を合わせて対策や事業を行っていくことが必要であることは、もちろんでありますが、静岡市として市民に対して何ができるのかを考えていただきたいと思っています。
厳しい言い方をすれば、全ての対応が遅いと感じています。今、市民が求めているのは、静岡市が公式に発信する、いち早く、見やすい、そして正しい情報、小中学校の休校が続く中、子供たちがどうやって自宅での学習を円滑に進められるのか、指定された登校日に安心して通わせられるのか、我が市に事業所税を納めている飲食店や企業の休業が余儀なくされる中、どうやって事業を維持・継続するために静岡市が援助してくれるのかなど、多岐にわたるかと思います。
今こそ、我が市の中枢を担う総務局、企画局、財政局がリーダーシップを発揮し、柔軟かつ迅速な対策や財政出動を行い、各局と連携し、市民を守る対応が求められていると思います。
今回の議案を見ても、コロナ対策における各局の対応が間に合っているとは到底思えません。本来、各局が練り上げた事業を議案に上げてくるのが大前提ではありますが、刻一刻と状況が変化していく中、議会の日程に合わせて各局から事業が上がってくるとは思えません。こんな対策が今後必要になるのではないか、この準備は進んでいるのか、最悪の事態も考え、検討しておくことはないかなど、今こそ、局間が連携して、協力して、対策を行っていくことが求められていると思います。
また、庁舎内においても、公共施設の利用の縮小や休止、自宅でのテレワークの推進、輪番制などの導入も含め、利用者、職員への感染拡大を未然に防ぐ対策も行っていただきたいと思います。
当局の皆様には、このままいけば、数か月後に静岡市のまちなかは焼け野原になってしまうかもしれないという危機感を持っていただき、市民の命は我々が守る、市内の店舗は1店舗も潰さない、1社も倒産させないという気概を持って対策に取り組んでいただきたいと思います。
今、全てが不測の事態です。今後、各局から上がってくるコロナ対策に係る事業については、柔軟かつ機動性を持った予備費の執行、緊急の追加対策を想定した予備費の増額を強く要望いたします。